公演中でもネタバレします。Google+ から過去ログも加筆移行中(進捗 7 割程度)。

『袋とじ「根本宗子」』 / 東葛スポーツ×根本宗子

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ヒップホップ演劇ユニット?!じゃあ私もラップします!

小劇場的には衝撃的 上出来な会場は六本木の

SuperDeluxe でラップする 3o'clock で Starting Up する

井上の『化粧』から始まるショウ 絶版のため図書館を推奨

始まるラップは意外や本格 サンプリング元には知ってる音楽

疲れたので箇条書きします

  • 冒頭で触れたとおり、ベースは井上ひさし『化粧』。

    化粧 (集英社文庫)

    化粧 (集英社文庫)

  • サンプリングネタは例えば、スティービー・ワンダーの『Love's in Need of Love Today』。

  • ラップは東葛主導?どちらが主導だとしても、もう一方の監修は多分に入っている気がした。

    • ラップオンリーではなく、一人芝居パートの合間合間にラップパートが挿入される様式。要するにミュージカルの使う構成。そのフォーマット上で、根本の私戯曲あるいは自己紹介のような芝居をうつ。
  • パロディ「もし根本宗子がカップ焼きそばの作り方を書いたら」が笑いのハイライト。ここは本公演にありそうな男女の痴話喧嘩をメタな笑いに転化させていて、おそらく構成(金山)が根本に内容を丸投げしていそう。

    • これが広義の“サンプリング”であるならば(そうでなくても権利的には必須だと思うが)、それこそ『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』だけでなくペヤングにも許可を取っているはず。そのフットワークは、ヒップホップ演劇ユニットを標榜するだけある(さすがに取ってないなんてことはないよね?)。
  • 途中 『スーパーストライク』 箱入り時に撮影したと思われる、長井短と根本の VTR が挿入される。構成(台本)は少なくとも上演 4 ヶ月以上前にある程度は固まっていたということになるし、このあたりのスパンも独特な感じを受けた。

    • VTR の根本と舞台上の根本とで、どちらが本物の根本宗子なのか論争が発生し、最終的には舞台上の根本が偽物であるかのような示唆の台詞と展開に至るが、VTR の側でも本来あり得ないことが起こっており真相は不明。

  • 面白い部分はあったし、ヒップホップ文化を演劇に拡張するというコンセプトは良い。根本宗子をメタ化するというネタは、本人だけの構成・演出では中々やらないと思うので、そのような面を東葛に引き出してもらったことに関しても、ただただ有り難いと思った。

    • それはそれとして、「東葛スポーツ」目当てで他公演を観たいかというと…目当ての役者が取り上げられる回を、その時々で検討するかどうかといったところ。そしてヒップホップに見合った、あるいはヒップホップとのギャップを観に行きたいと思える役者が、現時点で思い浮かぶかというと…1

      • オチもなあ。
  • 客入れ時に流れていた演劇ワークショップの映像2がめちゃくちゃ面白そうだった。フルで観たい。

情報

  • 構成 金山寿甲
  • 出演 根本宗子
  • 於 SuperDeluxe3
  • 開演 2018-02-27 15:00

  1. その対象に挙げるならば例えば、今回 VTR 出演した長井短がいるが、長井は『袋とじ…』の次の東葛公演『カニ工船』(未鑑賞)で、板の上での出演、しかも主演を果たしてしまった。

  2. 映画『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』 。わずかな記憶をたよりにインターネットの海から特定した。

  3. SuperDeluxe での上演のほか、日程の前半では 3331 Arts Chiyoda での上演も行われた。