公演中でもネタバレします。Google+ から過去ログも加筆移行中(進捗 7 割程度)。

生観劇

『バロック【再演】』 / 鵺的

目をひらけ 耳をすませ 秘められた言葉を解き放て あの呪われた場所で またふたたびぼくたちがめぐりあうために natalie.mu どこがどう変わったのか初演の映像、あるいは台本を観直しながら確かなリファレンスを基に検討することも可能ではあるけれど、2 年…

ブランニューオペレッタ『Cape jasmine』 / 演出: 根本宗子

くちなし、の花言葉 ovo.kyodo.co.jp 『もっとも大いなる愛へ』 を観ていたか否かで捉えかたかが変わったりするんだろうか。とはいえ自分は観た側であって、どうしてもそこで中てられたものがついて回るから、真っ新な状態でこれを観たときの感情の想像のし…

【再鑑賞】『昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ』 / アンカル

千秋楽も観にいってしまった。 劇中つかわれていた楽曲を順不同に、憶えているだけ挙げてみる。 開演 2021-10-03 14:00 於 東京芸術劇場 シアターイースト 抱いてくれたらいいのに / 工藤静香 www.youtube.com 2 幕序盤(だったと思う)。ファミリアこと桜田…

『昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ』 / アンカル

www.geigeki.jp 「学生時代に戻りたい」という想いの背景には、いかなる含みがあるのだろう。時間を遡行したいという希求に囚われるとき、遡行願望ゆえの(現在の)記憶の保持と過去の「リプレイ」、あるいは過ぎしタイムラインの改変願望も前提として織り込…

『夜会行』 / 鵺的

spice.eplus.jp 万人に観る準備ができているようなテーマではない、というと語弊があるかもしれないけれど、そこまで世界が進んでいないからこそ今、2021 年という劇中設定1で本作が上演されているということに違いはない。かつ、準備ができているのと鑑賞前…

『外地の三人姉妹』 / KAAT×東京デスロック

deathlock.specters.net 今年は韓国発の表現に足を踏み入れた年だった。演劇を思うように観られなくなって音楽に対する揺り戻しが来たときに、どのような経路をたどるにせよ K-POP を聴くことになるのだろうという漠然とした予感が先ずあった。その予感が現…

『バロック』 / 鵺的

目をとじろ 耳をふさげ 秘密はけっして口にするな あの呪われた場所で またふたたび怪物を めざめさせないために natalie.mu 呪いを解く。青年が血に、家に、家族に向き合い、自らの存在ひとつで、与えられた死生に抗う話。 洋館のワンルームシチュエーショ…

『共骨』 / オフィス上の空プロデュース 演出: 松澤くれは

www.confetti-web.com 「大きくなったらお母さんになってお父さんと結婚するんだ!」期に母親を喪った娘と、その娘の中で生き続ける母親と、成長していく娘に妻の面影を感じてだんだんと狂っていく父親と、を中心とした家族の話。 娘の中に「母親」が生じる…

『往転』 / KAKUTA presents Monkey Biz #1

entre-news.jp 「属性」が混乱した人たちの話かな、と思った。吾郎[演:入江雅人]は肩たたきにあって会社員という属性を、その後いろいろあって一家のお父さんという属性をも喪っている。宣子[峯村リエ]は生まれた時から家族に無縁で、死んだときに遺骨…

『東京ノート』 / 青年団

「私の絵、描いてくださいよ。ちゃんと私のこと見て」 http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2019/11/-81.htmlwww.musashino-culture.or.jp 直前まで同じく吉祥寺シアターで上演されていた 『インターナショナルバージョン』 の源流であ…

『東京ノート・インターナショナルバージョン』 / 青年団

「望遠鏡で宇宙を見るって言ったって、宇宙からもこっちを見てるわけじゃないですからね」 jfac.jp 本当の国際化、グローバリゼーション、ってなんだろう。劇中に各国の挨拶がちょっとだけ話せるオバチャン(由美)がでてきて、空気の読めないタイミングで外…

『超、Maria』 / 別冊「根本宗子」第8号

わたしの 不幸 が だれかの 幸せ engekisengen.com お仕事にんげんの、なかなかおうちに帰ってこないお父さんをもつ、ふたりの女の子がいました。つぎはいつ帰ってくるのだろう。そうたずねたときの、お母さんのかおを、彼女たちはきっと忘れることはないで…

『Whose playing that "ballerina" ?』 / 別冊「根本宗子」第8号

『バー公演じゃないです。』インターナショナルバージョン。 entre-news.jp 話の内容は変わらない。というかやはり話が良いなこの戯曲。人は他人のことを、気持ちを、解りうるのかどうか。幼年期からアラサーにかけての女の子の 20 数年のあいだでテーマをひ…

『今、出来る、精一杯。』 / 月刊「根本宗子」第17号

natalie.mu こんなにダークな芝居だったっけ。 前観た時 は、上映会とはいえど強烈に全知覚を塗り替えられたような衝撃に襲われて、ありがちな言葉でいえば、ロフトプラスワンを出たその時から「目の前の世界が変わっ」ていた。感動する芝居としては、他に上…

『裏から Good School へ』 / 演劇集団Z-Lion

www.oricon.co.jp 疑似家族とか描いちゃう割に、そういうのが必要な状況とかに陥ったバックグラウンドは全く見えてこない本を書いて演ってしまうの、なんでなんだろう。やっぱり最低でもちょっとは切り売りじゃないと、ぜんぶ上滑りするよね。 ポスト 3.11 …

『no room』 / 構成: ハラサオリ

https://dancenewair2020-pre-no-room.peatix.com/?lang=jadancenewair2020-pre-no-room.peatix.com F。7 度。F。7 度。階上で鳴るビブラフォン。フェルトのまるっとした響き。あるいは不快なまでに増幅された耳を刺す倍音を含む響き。楽器として音階を持ち…

『墓場、女子高生』 / 別冊「根本宗子」第7号

engekisengen.com ◆ 西川だけじゃない。 メンコもチョロも、ジモもナカジも。みんなそれぞれに日野の自死に責任を感じていて、そのきっかけが自分の些細な言動にあったのではないかという思いが、高校という絶妙にまだ外の世界へと開放されきっていない自閉…

『組曲虐殺』 / 演出: 栗山民也

spice.eplus.jp 井上芳雄という名の世界観のようなものが存在するのではないか、という漠然とした感覚が『グレート・ギャッツビー』以降あって、それが確かなものになった。井上芳雄という世界観だこれ。そして『ギャッツビー』のときも思ったけど、やはり音…

『MUSIC SHOW 2019』 / 清竜人

skream.jp 偶然、再演の報を知り、気づいたら数週間後に迫っていたので即チケットを買って飛び込んでいた。 清竜人に関して、『MUSIC』リリース当時はその存在と『インモラリスト』程度しか認知しておらず、変な曲つくる兄ちゃんが堀江由衣に曲を提供したの…

『プレイハウス』 / パルコ・プロデュース 演出: 根本宗子

stage.parco.jp プロデュース公演での根本作品もいくつか観て分かってきたんですけど、やっぱり初期プロットの段階で WEB 等に上げるあらすじと、完成した台本(あるいは芝居そのもの)をあらすじに圧縮した場合とでは、彼女に関して(も?)だいぶ異なって…

『桜姫』 / 阿佐ヶ谷スパイダース

spice.eplus.jp 退屈がこわい安定してしまうことがこわくてしかたがない一度停滞するとそこで私の人生は完成してしまうのではないか死を以って完結する人生ならばそれまでは未完成であり続けなければ私の人生はきっと退屈で退屈でしかたのない時間が大半をし…

『アイスとけるとヤバイ 』 / 悪い芝居 vol.24

natalie.mu 地方結成の劇団だと、どこかしらのタイミングで自身のバックグラウンドに対して、劇作をもって向き合うときがくるのかな。 鹿殺しもそうだった 。役者個人にまで分解すれば、特定の劇団に限らずそれこそ殆どの人間が上京組なのだろうし、これは演…

『転校生 女子校版』 / 演出: 本広克行

https://deview.co.jp/News?am_article_id=2142131 はな[天野はな]は、ある朝目が覚めたら知らない学校の生徒になっていて、原因は分からないままにその事実だけを頼りに登校してきた。 カフカ『変身』がモチーフで、任意の課題図書を選択するその日の国語…

『ギャンブラーのための終活入門』 / 田崎小春が福岡に帰省してひとり芝居をする会

「じいちゃんの話をします」 mola-k.com スコットランドが舞台の一人芝居。 サッカーくじに興じ続けた男の 1966 年から 1999 年までの足跡を、彼からの伝聞を取り入れつつ孫の視点から述懐していくというフォーマットです。自らが余命宣告を伴う膵臓の病にお…

【再演】『チック』 / 演出: 小山ゆうな

2年ぶり待望の再演『チック』 小山ゆうなさん(翻訳・演出)&柄本時生さん&篠山輝信さんインタビュー | omoshiiomoshii.com 前 よりもグッときて、涙が出た。 キャスト続投による再演は、ある意味では咀嚼にそれだけの時間をかけることのできる期間を与え…

『美しく青く』 / 演出: 赤堀雅秋

www.excite.co.jp 津波や害獣といった「人によらない」外的要因によってしか、人(個人でも群体においても)は、生活は、変わり得ないのか。いや、変わり得ないということを赤堀は 2 時間にわたって書き続けています。何も変わらない。何も起こらない。 それ…

『ビューティフルワールド』 / モダンスイマーズ 20周年記念公演

stage.corich.jp プロットは、蓬莱プロデュースの劇団外公演も含めて、様々な過去作を髣髴とさせる。 『句読点』 の先、というよりは、記念公演らしい 20 年の総決算という感じがした(直接的には直近 5 年間くらいしか観てないけど)。大まかには 『回転す…

『化粧 2幕』 / 劇団ドラマ館

ameblo.jp 実は今(2019 年 6 月現在)、井上ひさしの遺した「こまつ座」でもやってるんですよね、これ。 ただ、( 『木の上の軍隊』 が意外と簡単に取れたというのもあって)甘く見ていたらチケット完売につき買い逃しました。そして偶然か、その裏でやって…

『ゴドーを待ちながら 昭和・平成ver.』 / KAATプロデュース 演出: 多田淳之介

www.kaat.jp 東京デスロック主宰が演出する今回の公演は、【昭和・平成(SH)ver.】と【令和(R)ver.】の W キャスト上演。SH ver. では 60 代のキャスト 2 名が、R ver. では 30 代のキャスト 2 名が、それぞれウラジミールとエストラゴンを演じ、またポゾ…

『宇宙人はクラゲが嫌い』 / 劇団かもめんたる

natalie.mu お笑いコンビの人がなぜ芝居を打つのかというと、それこそコントでは表現できないテーマだったり台詞だったり、あとは出せるキャストだったり。色々とあると思うんだけど、今回については森桃子や森田ひかり、あるいは増澤璃凛子といった「お笑い…