公演中でもネタバレします。Google+ から過去ログも加筆移行中(進捗 7 割程度)。

『バロック【再演】』 / 鵺的

目をひらけ 耳をすませ 秘められた言葉を解き放て あの呪われた場所で またふたたびぼくたちがめぐりあうために natalie.mu どこがどう変わったのか初演の映像、あるいは台本を観直しながら確かなリファレンスを基に検討することも可能ではあるけれど、2 年…

ブランニューオペレッタ『Cape jasmine』 / 演出: 根本宗子

くちなし、の花言葉 ovo.kyodo.co.jp 『もっとも大いなる愛へ』 を観ていたか否かで捉えかたかが変わったりするんだろうか。とはいえ自分は観た側であって、どうしてもそこで中てられたものがついて回るから、真っ新な状態でこれを観たときの感情の想像のし…

『ヒッキー・カンクーントルネード (2021)』 / ハイバイ

Watch 「ヒッキー・カンクーントルネード」 Online | Vimeo On Demand on Vimeo これ を書いていた当時は知る由もないが、ちょうどこの前後数日間が東京都の新規陽性判明者数のピーク(さらにいえば 8/13 は一日当たりの都内新規陽性者数の最大値であった1)…

【再鑑賞】『昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ』 / アンカル

千秋楽も観にいってしまった。 劇中つかわれていた楽曲を順不同に、憶えているだけ挙げてみる。 開演 2021-10-03 14:00 於 東京芸術劇場 シアターイースト 抱いてくれたらいいのに / 工藤静香 www.youtube.com 2 幕序盤(だったと思う)。ファミリアこと桜田…

『昼下がりの思春期たちは漂う狼のようだ』 / アンカル

www.geigeki.jp 「学生時代に戻りたい」という想いの背景には、いかなる含みがあるのだろう。時間を遡行したいという希求に囚われるとき、遡行願望ゆえの(現在の)記憶の保持と過去の「リプレイ」、あるいは過ぎしタイムラインの改変願望も前提として織り込…

『ヒッキー・カンクーントルネード (2010)』 / ハイバイ

natalie.mu 現在上演中の最新再演版を観にいこうとチケットも取っていたが、昨今の状況があまりにも悪かったので代わりに(というのもなんだが) Prime Video で配信中の 2010 年版 を観た。 「あいうえ」 後半の圭一と綾との会話に出てくる単語。意味するも…

『夜会行』 / 鵺的

spice.eplus.jp 万人に観る準備ができているようなテーマではない、というと語弊があるかもしれないけれど、そこまで世界が進んでいないからこそ今、2021 年という劇中設定1で本作が上演されているということに違いはない。かつ、準備ができているのと鑑賞前…

『外地の三人姉妹』 / KAAT×東京デスロック

deathlock.specters.net 今年は韓国発の表現に足を踏み入れた年だった。演劇を思うように観られなくなって音楽に対する揺り戻しが来たときに、どのような経路をたどるにせよ K-POP を聴くことになるのだろうという漠然とした予感が先ずあった。その予感が現…

『もっとも大いなる愛へ』 / 月刊「根本宗子」第18号

spice.eplus.jp 2020-11-07 19:00 言葉から逃げているような、あるいは言葉の力そのものを蔑ろにしているのではないかと思えるような他者に出会い、憤りのような、あるいは失望のようなものをおぼえてしまったことがありました。自らの言葉で綴ることに、綴…

配信版『超、Maria』 / 超、リモートねもしゅー3

qjweb.jp 幼少期の父兄参観(このことば自体がなんかもはやすごくなった世相ではある)でユウとカナが導き出した「お父さん観」と「会えないということは、想像する余地である」という昇華。劇場で見た時は子どもなりの誇り高さや眩しさがやけに響いたような…

『Happily Ever After』 / 演出: 根本宗子

www.nikkansports.com TOHO MUSICAL LAB. 企画が立ち上がった(それでも 1 ヶ月前とたいへんに短期)ときと比べて、状況はより悲観的な方向に進んでいるように感じる。“要請”の解除によって劇場は大手を振って使えるようになった。ここ数週間で観客を入れて…

『SweetSpot』 / 演出: 函波窓

sweetspot.mystrikingly.com 結果的に作品の内容を吟味するところまで行けなかった。オンラインでの「同時多発会話劇」の試みやその手法の、検討と考察。 作り手側のプラットフォーム/デバイスリテラシー 出演者である福永マリカが書いていた1ように、Zoom …

『エアガール!』 / トキヲイキル

stage.corich.jp (女性)アイドルグループとエアガールとの間には「女性の職業領域」というようなオーバーラップしたイメージがあるのかもしれない。それが今でもシンパシーを喚起し得るのかどうか、受け取り方は様々だと思うんですけど。 予約されたパーテ…

『寝る前のハラ』 / ハラサオリ

双方向「ナイトルーティン」2 週間の記録 密かに呼ばれているハラヨガはハタヨガみたいで畏れ多いと思ってたけど体操も野口体操みたいだ。あの時間に自分でつけられる最上級の名前は「寝る前のハラ」。— Saori Hala | ハラサオリ (@halasaori) 2020年4月17日…

『あの子と旅行行きたくない。』 / 超、リモートねもしゅー

note.com 劇場に行けなくなった。行っても芝居なんてやってない、閉まっている。 最初のうちは選択の余地があったし、今となっては完全に「トラディショナル」と化す可能性すらある表現へ、役者たちも身を委ねることができていた。これは書き残しておかない…

『バロック』 / 鵺的

目をとじろ 耳をふさげ 秘密はけっして口にするな あの呪われた場所で またふたたび怪物を めざめさせないために natalie.mu 呪いを解く。青年が血に、家に、家族に向き合い、自らの存在ひとつで、与えられた死生に抗う話。 洋館のワンルームシチュエーショ…

『掬う』 / □字ック

spice.eplus.jp 口ではなんとでも言える 何かが完全に巻き戻ってしまった感じがある。剥がれた、といった方が近いか。 剥がされて出てくる自分のぞうもつを鏡で見ている、見せられている感じ、とはいってもあまねく臓器が完全に劇中で具現化されているわけで…

『共骨』 / オフィス上の空プロデュース 演出: 松澤くれは

www.confetti-web.com 「大きくなったらお母さんになってお父さんと結婚するんだ!」期に母親を喪った娘と、その娘の中で生き続ける母親と、成長していく娘に妻の面影を感じてだんだんと狂っていく父親と、を中心とした家族の話。 娘の中に「母親」が生じる…

『往転』 / KAKUTA presents Monkey Biz #1

entre-news.jp 「属性」が混乱した人たちの話かな、と思った。吾郎[演:入江雅人]は肩たたきにあって会社員という属性を、その後いろいろあって一家のお父さんという属性をも喪っている。宣子[峯村リエ]は生まれた時から家族に無縁で、死んだときに遺骨…

『東京ノート』 / 青年団

「私の絵、描いてくださいよ。ちゃんと私のこと見て」 http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2019/11/-81.htmlwww.musashino-culture.or.jp 直前まで同じく吉祥寺シアターで上演されていた 『インターナショナルバージョン』 の源流であ…

『東京ノート・インターナショナルバージョン』 / 青年団

「望遠鏡で宇宙を見るって言ったって、宇宙からもこっちを見てるわけじゃないですからね」 jfac.jp 本当の国際化、グローバリゼーション、ってなんだろう。劇中に各国の挨拶がちょっとだけ話せるオバチャン(由美)がでてきて、空気の読めないタイミングで外…

『超、Maria』 / 別冊「根本宗子」第8号

わたしの 不幸 が だれかの 幸せ engekisengen.com お仕事にんげんの、なかなかおうちに帰ってこないお父さんをもつ、ふたりの女の子がいました。つぎはいつ帰ってくるのだろう。そうたずねたときの、お母さんのかおを、彼女たちはきっと忘れることはないで…

『Whose playing that "ballerina" ?』 / 別冊「根本宗子」第8号

『バー公演じゃないです。』インターナショナルバージョン。 entre-news.jp 話の内容は変わらない。というかやはり話が良いなこの戯曲。人は他人のことを、気持ちを、解りうるのかどうか。幼年期からアラサーにかけての女の子の 20 数年のあいだでテーマをひ…

『CATS』 / 監督: トム・フーパー

www.huffingtonpost.jp 前半は、どこ向いて作ったのかなこれは、と思ってました。キャッツって、主役級から名無しのアンサンブルまでいくつかの階層構造はあるものの、同時にたくさんの猫が出てきて彼らが群舞をする、ということが多いのですが、映画ではそ…

『アジアの女』 / 演出: 吉田鋼太郎

spice.eplus.jp あらすじ 「震災」後の避難区域で細々と暮らす竹内兄妹のもとに、かつて兄 晃郎[演:山内圭哉]を編集者と仰いでいた鳴かず飛ばずの作家 一ノ瀬[吉田鋼太郎]が訪ねてくる。一ノ瀬の来訪を機に、妹 麻希子[石原さとみ]に恋心を抱く警官の…

『今、出来る、精一杯。』 / 月刊「根本宗子」第17号

natalie.mu こんなにダークな芝居だったっけ。 前観た時 は、上映会とはいえど強烈に全知覚を塗り替えられたような衝撃に襲われて、ありがちな言葉でいえば、ロフトプラスワンを出たその時から「目の前の世界が変わっ」ていた。感動する芝居としては、他に上…

【再鑑賞】『死ンデ、イル。』 / モダンスイマーズ 句読点三部作連続上演

句読点三部作連続上演 東京芸術劇場 シアターイースト 『嗚呼いま、だから愛。』 2018-04-19 → 2018-04-29 『悲しみよ、消えないでくれ』 2018-06-07 → 2018-06-17 『死ンデ、イル。』 2018-07-20 → 2018-07-29 中央公論新社www.chuko.co.jp けっこう前です…

『裏から Good School へ』 / 演劇集団Z-Lion

www.oricon.co.jp 疑似家族とか描いちゃう割に、そういうのが必要な状況とかに陥ったバックグラウンドは全く見えてこない本を書いて演ってしまうの、なんでなんだろう。やっぱり最低でもちょっとは切り売りじゃないと、ぜんぶ上滑りするよね。 ポスト 3.11 …

【上映会】根本宗子版『墓場、女子高生』について、 岩井秀人が根掘り葉掘り聞く会

根本宗子版「墓場、女子高生」について、 岩井秀人が根掘り葉掘り聞く会 | 音楽実験室 新世界shinsekai9.jp 情報 根本宗子版『墓場、女子高生』について、 岩井秀人が根掘り葉掘り聞く会 出演 根本宗子 稽古終わりの 岩井秀人 開演 2019-11-10 20:30 於 音楽…

『no room』 / 構成: ハラサオリ

https://dancenewair2020-pre-no-room.peatix.com/?lang=jadancenewair2020-pre-no-room.peatix.com F。7 度。F。7 度。階上で鳴るビブラフォン。フェルトのまるっとした響き。あるいは不快なまでに増幅された耳を刺す倍音を含む響き。楽器として音階を持ち…