公演中でもネタバレします。Google+ から過去ログも加筆移行中(進捗 7 割程度)。

『女体シェイクスピア 006:迷走クレオパトラ』 / 柿喰う客

柿喰う客・女体シェイクスピアシリーズ最新作は恋愛2作品を一挙上演│エンタステージenterstage.jp

劇団「柿喰う客」演出家の中屋敷法仁が、同劇団の女優 3 人に加え多数の客演女優を迎え、女優のみでシェイクスピアをやるという企画の第 6 弾。

今回のネタは『アントニークレオパトラ』。

アントニーとクレオパトラ - Wikipedia


このときこういうことがありました、私は/彼は/彼女はこう思いました、を登場人物に変な語尾つけて喋らせている1だけで、それだけでも冷めるんだけど、台詞がものごとの説明でしかない2ので、活字出版か読み聞かせで良い。

アントニーがいちいち名ゼリフ?のところで歌舞伎のような見栄を切る。序盤で冷めてしまいノリに置いてかれた観客に、これは厳しい。だいたいなんでクレオパトラがチャイナ服を着ているのか。予算に問題でもあったのか、100 歩ゆずって黄河文明か。

アフタートーク始まる前に撤退。ここまで受けつけなかった芝居は、なかなか後にも先にも出てこないと思う。

男性演出家が女優 14 人をプロデュースして劇に持っていくだけでもだいぶ大変なんだろうな、大変なんですかね。でももうシリーズ 6 本目でこれかあ。シェイクスピア翻案劇の過激派急先鋒をやってるつもりだとして、登場人物全女優置換シェイクスピアの良さは「女優がたくさん出てきた、よかった」という点以上になにかあるのだろうか。あるいはそこに鑑賞価値を感じる人向けか。2.5 次元のようなものと割り切ろうとしても、衣装や美術からまったくやっていく気概が感じられなかった。


  1. ポンペイなら語尾にポンをつけて喋るんだポン。

  2. シェイクスピア(の翻訳劇)そのものが、そういう性質を含んでいる点も否定できない。